いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023年) -☆☆☆☆☆-

低迷していたシリーズを「勧善懲悪の強盗アクション」として立て直したジャスティン・リンが撮影開始早々監督を投げ出すなど本編では「ファミリーの絆」を尊ぶ割に制作現場のトラブルが絶えない『ワイルド・スピード』最新作がアマプラ入りしたので観る。

もはや誰も信じていない「シリーズ最凶の敵」として今度は『アクアマン』のジェイソン・モモアが参戦するも、ヒース・レジャーのジョーカーに憧れた三下臭が半端なく具体的にどこがどう凄いのかこれっぽっちも伝わってこない。
そもそも「家族の復讐」ってジェイソン・ステイサムの時と動機がどっ被りだし、世界最高のハッカーという触れ込みだったシャーリーズ・セロンはお膳立てで噛ませ犬に成り下がるし、仏頂面で登場した筈のジョン・シナに至っては子供のお守りをする愉快な筋肉オジサンキャラに落ちぶれるなど、キャラクター人気しか取り柄が無い癖にそのキャラクターの扱いが総じて雑なのが本当に酷い。

便宜上「カーアクション」を名乗っているが、クライマックスに近付くほど実写の割合が減少し、最終的に車どころか画面全てがCGになりリアリティゼロのただのアニメになる愚の骨頂。

何より赦せないのは過去作で死んだキャラをホイホイ生き返らせておいて性懲りもなく自己犠牲でお涙頂戴できると思っている舐め腐った脚本で、映画の外で大喧嘩して降板した筈の「あの人」を復帰させたのも喜びより「ビジネス不仲」に騙されたようで気分が悪くなった。

こんな体たらくなのにヴィン・ディーゼルは「完結編は前後編でなく三部作にする」とか言い出したが、故ポール・ウォーカーの為にもこれ以上シリーズに泥を塗るのは止めて頂きたいもんだね!!。