いまここにあるもの

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『シティーハンター』(2024年) -★★★☆☆-

Netflix映画「シティーハンター」キーアート

古くはジャッキー・チェン主演の似ても似つかない香港版、そして原作に忠実だった愛に溢れたフランス版を経て、ネトフリ案件として満を持してここ日本で制作された実写版『シティーハンター』を観る。

近年の流れでてっきりドラマフォーマットなのかと思いきや、104分の映画枠でまずビックリ。
時代設定は当然現代に移されているが「お馴染みの伝言板」や「例のハンマー」など要点はしっかり押さえている。

実写の冴羽獠と言えば『エンジェル・ハート』の上川隆也さんも良かったが、完全再現された「モッコリ」ムーブは良識人から極悪人、果ては変態まで変幻自在に演じるカメレオン俳優・鈴木亮平さんだからこそ体現可能な妙味。
バキバキの肉体作りや華麗な銃さばきはもとより、神谷明さんの声色にまで寄せてきているのは流石というほかない。

ただ作品自体の出来はネトフリ映画という枠組みながら製作費はそこまで付かなかったのか終始低予算感が拭えず、ハリウッド映画的な視点で切り取られた冒頭の新宿の街並みやコスプレイベントでの大立ち回りなど「狙ってる感」も鼻につき、鈴木亮平さんに肉薄する存在感が敵側キャストに不在でラストの展開にも見応えが無かったというのが率直な感想。

叩き台となっているのがシリアス色の強かった原作初期で始末屋としての冴羽獠の実力が確り描かれる反面、やたらと血が飛び散り人命も軽いので、その辺りアニメ準拠のフランス版の方がライトに楽しめる印象でした。