日本アニメのハリウッド実写化報道よろしく、発表後何の音沙汰も無く誰もが頓挫したと思った正統続編がテレビシリーズ終了から19年の時を経て公開されるという『エヴァ』も霞む大記録を打ち立ててしまった『ガンダムSEED FREEDOM』がサブスクに追加されたので観る。
個人的に『SEED』は1stガンダムの現代アップデート(といっても20年以上前だが)として高く評価していたが、制作現場のゴタゴタが透けて見える『SEED DESTINY』はご多分に漏れず嫌いだったので「今更新作とか誰得だよ?」と思っていたら、まさかまさかのガンダム劇場作品歴代No.1ヒットを記録し、評判も良かったので期待して観たら「何これ?」状態で呆気に取られてしまった。
シャアの声をしたキャラの思想が思いのほか尾を引いた、ちゃんとした続編で驚かされたし、同窓会的なキャラ大集合にパワーインフレを極めた戦闘シーンなど「お祭り映画」としては正解なのだが、個人的には色々過剰でキツイ…。
ラクスを寝取られたと思ってヘラるキラはぶっちゃけ人間臭くて嫌いじゃないが、あれだけ多くの仲間の死を乗り越えてきたのに「そこで折れるのかよww」と思わずにはいられない。
新興勢力はCVだけはやたら強いが見た目は中二病集団でしかなく、半数以上は居ても居なくても何の問題も無い(真面目に編集で半分消しても差し支えない)くらい薄くて、こんな魅力も存在価値もないキャラ出すなら、もっと他に時間を割くべき部分があっただろう?。
ただでさえ2クールは必要なプロットを2時間に詰め込んで、その所為で何か起こっても余韻に浸る間もなく次の展開に行って全然気持ちが入って行かないんだからさぁ…。
軍事衝突による民間人虐殺シーンを描き、核ミサイルで街を消し飛ばし、コロニーレーザーで報復し、何十何百何千万人も画面上で殺し殺された憎しみの果てに、あの軽薄なギャグを挟むクライマックスのノリが私は到底理解できないし、嫌悪感を抱くまである。
サービスシーンと言えば聞こえは良いがラクスのエロいパイロットスーツとか、アスランが思い浮かべたカガリのエロ妄想とか要りますか?。
シンが背負ったトラウマをギャグにする必要ありますか?。
んで最後は「石破ラブラブ天驚拳」もビックリの、これまでのナチュラルとコーディネーターの血で血を洗う争いの落としどころが「愛」ってさぁ…。
その「愛」が真に重みのある物として説得力を持って描かれていれば納得するけど、あのテンション感でそれは流石に無理でしょ…。
私は別に宇宙世紀至上主義者じゃないし、旧型MSが下克上する展開は胸熱だったけど、全体のクオリティはぶっちゃけそこまで高くなくて、平井久司キャラの頭身もさらに下がって、オッサン連中なんかはテーマパークの着ぐるみみたいなバランスでダメだった。
これを観ると『コードギアス 復活のルルーシュ』ってよく出来ていたんだなぁ…。