いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の最終回を観た。

Gレコを除いて近年のアナザーガンダムは4クールがデフォだったので、第2シーズン中判くらいまでは最終回で「もう2クールやります!」とアナウンスをするものと思っていたのに、そっから一気に物語を畳みに掛かって本当に24話で完結して驚いている私です。

始まる前は女性主人公・学園物という新要素がどう作用するか不透明だったし、序盤はネタ展開も多かったけど、最終的に「きっちりガンダムになったな」というのが率直な感想。

正直「学園物」というのはミスリードで「学生の起業ドラマ」という方が正しかった気もするが、情勢が不安定な地域を利用した戦争ビジネスだったり、肥大化した企業と国家の利権争いなど、戦場での殺し合いよりその裏側を重点的に描いたのは新機軸だし、今現実の世界で起こっている事を考える上でも意義深く感じる。

一部からポリコレに屈したと揶揄された「女性主人公」に関しても観ればきちんと意味があることが分かるし、スレッタサイドで母と娘・姉と妹のドラマを描く一方、グエルサイドで父と息子・兄と弟のドラマを描くバランス感覚もお見事。
ミオリネサイドの父と娘の話を含め、振り返ると『水星の魔女』はさまざまな「家族」の物語だったことに気付く。

母親全肯定で自分が無かったスレッタが自らの意思で決断するに至ったり、父親への反抗心だけだったミオリネが広い視野で物事を見れるようになったり、公式が最大手のグエ虐に揉まれ完全に主人公の顔になったボブ(笑)など、主要キャラが成長するのは当然として、ヘタレだったマルタンがメスガキ懺悔室で改心しニカ姉と和解したり、エラン4号の後釜でヘイトを集めるポジションかに思われたエラン5号が良キャラ化するなど、サブキャラたちの意外な活躍もあって群像劇としても面白かった。

欲を言えば、あれだけの事をしでかしたシャディク側の心情の掘り下げが弱く、ミオリネへの一方的な感情を含め、独り善がりな奴になってしまったのがちと残念。
(彼等の過去とか触れられてないけど相当酷い目にあってるよね?)

最終回はぶっちゃけ、もっととっ散らかると思っていたので、恒例のコロニーレーザーやオカルトな力場などオマージュのつるべ打ちから、各々の問題にきちんと決着をつけ、登場人物が収まるところに収まり、続編の匂わせも無く綺麗に終わって素直に関心してしまった。

毎週放送後はSNSなどで盛り上がっていたし、こっから旧作へ興味を持つ人も多いと聞くので新規ファン獲得という命題込みで大成功だったのではないだろうか?。

これだけ上手くいくと「続編を!」という声が聞こえてきそうだけど、そこは本編後にぶっこまれた『SEED』の完全新作劇場版を一先ず観てねって事かな?。

個人的には今更感しかないので『閃光のハサウェイ』の続きを早くお願いします…。