『Mr.ノーバディ2』の新監督就任で話題のティモ・ジャヤント監督のネトフリ映画『シャドー・オブ・ナイト』を未見だったので予習してみる。
ジョー・タスリムやイコ・ウワイスといった顔触れやインドネシア発の過激なバトルムービーという事で、なかなか制作されない『ザ・レイド』パート3の穴埋め感も漂っているが、エグイ得物で人体を損壊し脳味噌や腸をぶちまける様を執拗に見せつけてくるスタイルはアクション映画というよりスプラッター映画のそれに近い。
子供を救うために組織を裏切った男と、刺客として差し向けられたかつての友という『男たちの挽歌』を彷彿とさせる漢のドラマも、人殺しが少女を守る為に戦うという『レオン』や『アジョシ』のような動機付けも、常軌を逸した暴力と流血にことごとく忙殺されてしまっているのが残念でならない。
荒々しい殺陣や斬新なカメラワークなど「ジョン・ウィック シリーズ」が生ぬるく感じられるほどの熱量で圧倒される一方、必然性がなく半ば悪趣味な暴力が同じトーンで延々と続くので途中からマンネリ化してきて、もっとドラマ面にも力を入れて緩急のメリハリを付けることは出来なかったのだろうか?。
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