いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『セーヌ川の水面の下に』(2024年) -☆☆☆☆☆-

「セーヌ川の水面の下に」キービジュアル

原題は『Sous la Seine』、国際版だと『Under Paris』。
邦題は何故か『セーヌ川の水面の下に』という謎にポエミーなフランス発のネトフリ配信サメ映画を観る。

ハリウッド映画御用達のロケ地であるパリを流れるセーヌ川に巨大人食いザメが潜んでいるという、なかなかクレイジーな設定のこの作品。

導入部の惨劇やそれに伴う主人公のトラウマなど序盤はいたって真面目な作風で、サメのCGなんかも大変よく出来ていたのに、どういう訳か後半に差し掛かるとステイサムの『MEG』も顔負けなお馬鹿映画に豹変して度肝を抜かれる。

人間をエサに単為生殖で無限繁殖するギャオスみたいなサメも、人的被害よりイベントを成功させたい無能な政治家あるあるも良いとして、このご時世にあれだけスマホで撮影されていて十数人が犠牲になり手足を喰われた人間が病院に運び込まれているにも関わらず「サメは居ません!」と言い張れるのどう考えたって可笑しいだろww。

どっかの誰かさんを彷彿とさせる環境活動家が喰われるシーンは実に爽快だったが、終盤は余りにも無意味に人が死に過ぎるし、文字通り「爆発オチなんてサイテー!」なラスト10分の「そうはならんやろ!」展開にはただただあ然とさせられる。

三池崇史監督の『DEAD OR ALIVE』よろしく、ここまでやってきたことを台無しにする一体何を考えてこんなオチにしたのかスタッフの正気を疑いたくなる怪作であり、そういう意味では一見の価値があるかもしれません。