いまここにあるもの

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『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年) -★★★★☆-

都市犯罪を描くハードな作風でのし上がったデヴィッド・エアーですらお上の意向に逆らえず去勢され散々な結果となった2016年版に対し、アンチに過去ツイートを掘り返されマーベルをクビにされたジェームズ・ガンがその鬱憤を晴らすかのように自重せず作ったグロと下ネタと悪ふざけとオタク要素満載な『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』がネトフリ入りしたので観賞。

みんな大好きハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビーを筆頭に、ジョエル・キナマンジェイ・コートニーヴィオラ・デイヴィス、など一部キャストは続投しているもののストーリー上の繋がりがあるんだか無いんだかハッキリしない。

全員悪党を謳いながら生温かった前作と違い、冒頭から登場人物が次々と肉塊と化していく様は圧巻で、これには『デッドプール』のアバンを観て「私の彼、スーパーヒーローの映画だって言ってたのにメッチャ人殺しまくって超グロいじゃんマジ⁈」と思った彼女もドン引きしているに違いない。

ウィル・スミスの為にデッドショットではなくオリジナルキャラを演じたのにビンタ事件でその配慮も無意味になりそうなイドリス・エルバや、もっこり白ブリーフ姿を披露する銀ピカ便器を被ったジョン・シナ他、頭がポンな人喰いサメ男の声をシルヴェスター・スタローンに担当させたと思いきや、『ダークナイト』のジョーカーのシンパ役で強烈な印象を残したデヴィッド・ダスマルチャンをメインキャストに起用するなど配役がいちいちキレッキレ。
監督の顔の広さもあってマイケル・ルーカータイカ・ワイティティもちょい役で出演するなど映画好きなら随所でニヤリとさせられること請け合い。

血飛沫の代わりに花弁が舞い散りアニメーションの小鳥が飛ぶハーレイ・クインの大立ち回りなどコミック的表現をしたかと思えば、見るからにオタクなオペレーターが原語でも「kaiju」と発音する故岡本太郎氏がデザインした「バイラ星人」そっくりのヒトデ型巨大宇宙生物が暴れ回るクライマックスは完全に怪獣映画で、最後は底辺の存在が痛快なジャイアントキリングかます、良い意味でも悪い意味でも「素晴らしくぶっ飛んだジェームズ・ガン」監督のセンスが爆発した怪作でした。