そろそろ「ビジュアルセンスしか能がないのでは?」と疑いたくなってきたザック・スナイダー監督が『七人の侍』にインスピレーションを受け『スターウォーズ』の一篇としてスタジオに売り込むも却下されネトフリでオリジナル作品として完成させた話題性だけで中身ゼロな『レベルムーン』後編を観る。
映画界の金字塔を引き合いに出しながら、あまりに体たらくな内容に批評家だけでなく観客からも批判されているのだが、全くもって擁護のしようがない。
前後編合わせて4時間の長尺だが地球外を舞台にしたスペースオペラのくせに後編は開始30分小麦の収穫しかしてなくて開いた口が塞がらない。
監督はインタビューで本当に小麦畑を作ったと豪語しているが、観ていて全く必然性を感じなかったし力を入れる場所をはき違えていると言わざるを得ない。
さらに唐突に始まる登場人物たちの自分語りでもう30分。
如何に帝国が酷い連中かを切々と説くが正味5分で片が付く内容を長々と引き延ばして編集スタッフは無能か?。
前作の方がまだ様々なロケーションで物語が展開した分、画的な面白さがあったが、今回はほぼ村と周辺の農地なので本当に地味。
収穫に30分。雑談で30分。残り60分は「ヴォーン、ヴォーン」と五月蠅いだけのBGMが流れ続けるわちゃわちゃした戦闘で、主役たちを差し置いて髭のモブおじが謎に活躍していたのもホント草。
過去の名作をパクッたのに何一つ秀でた部分がなく、全てのシーンが既視感の連続で、繰り返される「このシーンかっこええやろ?」と言わんばかりのスローモーション演出にもウンザリ。
ネトフリはこんなんに「1.5億ドルポンッとくれたぜ」するなら『シティーハンター』のスタッフにその半分でも渡してシリーズ化させてくれませんかね?。
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