いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019年) -☆☆☆☆☆-

ライアン・レイノルズとタッグを組んで『デッドプール』をスマッシュヒットさせたティム・ミラー監督が、ジェームズ・キャメロン主導のもとリンダ・ハミルトン(とエドワード・ファーロング)をカムバックさせ「『T2』の正統な続編」と銘打って大々的に公開するも、興行が奮わず続編構想がまたしてもおじゃんとなり、その後関係者が口々に「最初から良くなると思わなかった」「失敗だった」「もっとこうするべきだった」と女々しい言い訳合戦を繰り広げた『ターミネーター6』がディズニーの独占配信から解放されたのか、ようやっとアマプラに加わったので鑑賞。

ラテン系の俳優を多数起用し、主人公パーティは女性だけにするなど、意識高い系の「活動」にはご熱心なのに肝心の脚本が最悪だった前作比で見ても「しょーもない」出来で失笑。

スカイネットによる「審判の日」は阻止したが今度は別のAIが未来で人類と戦争を始め、反抗軍のリーダーを殺すようマシーンを過去に送り込みましたって「これ続編じゃなくてリメイクじゃん」と思ったのは私だけではないはず。

御多分に洩れず殺人マシーンは未来からやって来るくせにターゲットの所在地・生活習慣・勤務先などを把握しておらず、わざわざお宅訪問して親をぶっ殺して成り代わったのに、帰宅を待たずに職場まで出向いて面と向かって銃を使い射殺を試みる合理性ゼロなムーブをかまして、もう少し今風のアップデートとか出来ないわけ?。

「マシーンにコンピューターをハッキングされたら携帯を傍受され、監視カメラですぐに発見される」とサラ・コナーがドヤ顔で言うが「軍の監視・防衛システムに侵入されミサイル撃ち込まれることを心配したら?」と誰もが思うし、実際中盤でそれっぽい展開もあるのだが「なんで最初からそうしなかったの?」という疑問に明確な答えも提示されないツッコミ不在の恐怖。

例えば「バタフライエフェクト」の可能性を考慮してターゲットだけ狙うとかいう「縛り」でも設ければスマートなのに、そういう創意工夫が一切見られないし、カーチェイスなどアクション的な見せ場も過去作の焼き増しで新鮮味ゼロ。

機械なのに年を取るシュワちゃん問題も華麗にスルーなら、暴漢に襲われていた母子助けて善意に目覚めましたとか説明がやっつけ過ぎるし、簡単に持ち出されて壊される対マシーン用秘密兵器の扱いを含め幼稚過ぎて途中から頭が痛くなった。

人間の為に自己犠牲で死ぬシュワちゃんターミネーターでお涙頂戴する展開もマンネリの極みだし、「新作だ」「続編だ」と言いながら『T2』の劣化コピーでしかない最近の2作品より、散々叩かれたマックG監督×クリスチャン・ベイル主演の『ターミネーター4』の方がシリーズ初の未来を舞台にしたり、原点回帰でT-800がきちんと敵として登場するなど、切り口が斬新で面白かったわ!。