いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年) -★★☆☆☆-

巨額の製作費やパンデミックによる興行の落ち込みもあって一時は危ぶまれたパート2の撮影が無事スタートした記念に『DUNE』パート1を観る。

監督はSF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編に続き、またしても伝説的なタイトルの再映像化という難題に挑んだドゥニ・ヴィルヌーヴ
絶大な人気を誇る原作故、どう作ってもファンに批判される事は分かり切っているのに、それを立て続けにやってしまうメンタルは驚異的。

物語は言ってしまえば「領地」を「惑星」に置き換えた貴族たちの覇権争い。
貴重な資源を独占しようとする策謀に巻き込まれ公爵である父を殺され、自らも命を狙われる身となった主人公が巨大な運命に立ち向かうという筋書き。

荒涼とした砂漠の惑星のビジュアルは今となっては目新しさも無いが、そこに暮らす人々の文化や生活習慣、果てはしきたりに到るまで細かなディティールの数々には舌を巻く。
見た目の派手さもあって巨大なサンドワームに目が行きがちだが、個人的には大きな耳で僅かな水分を集めて生きるネズミの生態に関心させられた。

水分を循環させる「保水スーツ」やトンボを思わせる「オーニソプター」など拘りのガジェット類にも胸躍ること請け合いだが、アクション全般はキレがなく刀を使った殺陣のシーンなど振り付けありきでやってる感が強くかなり微妙…。
この辺りクリストファー・ノーランもそうだが、それを得意とする監督と比べれば見所にならないのが実に残念。

話自体も主人公が追っ手を退け現地の民に助けを求めたところで終わってしまう「起承転結」の「起」相当のドラマしかなく盛り上がりに欠ける。
匂わせな未来視を含め続編ありきな作りなのだが、だとしてもあと1作で全ての伏線を回収できるのだろうか?。