いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

祝『ゴジラ-1.0』全米オープニング興行収入第3位の大ヒット発進!!。

12月1日から北米の他、ドイツやスイス、オーストラリアなど一部地域で公開された『ゴジラ-1.0』。

こと米国においてはパンデミックストライキによる制作・公開延期で目玉タイトルが無く、空白のスクリーンを埋める為に『ゴジラ-1.0』に白羽の矢が立ち最終的に2000館以上の劇場で上映されたのですが、まさかまさかの批評家・観客双方から大絶賛され週末ランキング初登場第3位という実写邦画作品としては歴代最高記録を打ち立てました。

外国人が好む家族愛や、スピルバーグの『ジョーズ』や『ジュラシックパーク』、ノーランの『ダンケルク』などを意識したシーンも多く、日本を舞台にした時代劇ながら主人公の苦悩は長年の対テロ戦争の後遺症で苦しむ帰還兵を抱える米国社会の心情とリンクするだろうと予想はしていましたが、よもやここまで好意的に受け取られるとは思ってもみなかった。
(そもそも米国は字幕付きの外国映画を観る文化が無く、日本語のまま上映される本作はその時点で大きなハンデを背負っていた)

レビューを読むと意外にも人間のキャラクターが魅力的で主人公に深く感情移入したという声が多い事にも驚かされる。

ご存じのように2014年からレジェンダリーが手掛けている所謂ハリウッド版『GODZILLA』に端を発する「モンスターバース」においては度々「人間なんて要らん!!」という批判を耳にしていたので、向こうの観客はそういうのに興味が無いのかと思っていたのですが、どうやら違ったよう。

つまり彼等は「薄っぺらくて共感もできない無価値な人間キャラ」に怒っていたのであって、故に『ゴジラ-1.0』の悩み苦しみながらも奮闘する血の通った登場人物に心打たれ、その生命を脅かすゴジラに恐怖し、力を合わせて苦難に挑むクライマックスでは初めて人間側を応援していた!と口を揃え称賛しているのが印象的。

そういった反応を受けてか公開後にアップされた海外向けの「Final Trailer」は、より人間ドラマに軸を置いた構成となっており(サムネイルもゴジラではなく神木くん!)、台詞や場面のチョイスも秀逸で、これを観ると「各界からコメント到着」などと言って場違いな人間の取るに足らない文章を誇らしげに掲げている本家の仕事が恥ずかしくなる…。

日本人は定型文として「ハリウッドに比べ邦画は出来が悪い」と長年卑下してきましたが、本作に関しては「日本は1500万ドルでこんな素晴らしい映画が作れるのに、近年のハリウッドは…」とアメリカ人が落胆の声をあげる逆転現象が起きており、VFXや音響の素晴らしさを讃え、映画館の大スクリーンで観ることを推奨しているのが本当に凄い。

山崎監督の手腕も脚本を含め絶賛されているのでハリウッドからオファーが来るのも時間の問題かもしれません。
(『GODZILLA』→『ローグ・ワン』と進んだギャレス・エドワーズの前例があるので、シリーズファンを公言する山崎監督が次期『スター・ウォーズ』に抜擢される可能性もゼロではない!?)

最後に馬場康夫さんのYouTubeチャンネルの山崎貴監督ゲスト回が『ゴジラ-1.0』の撮影裏話やぶっちゃけトーク満載でむちゃくちゃ面白いので貼っておく。

登場兵器の考証や、海上撮影や子役に振り回された苦労話。
何より『WBS』でも触れていた「物言うスタッフ」たちに監督なのにダメ出しを食らい、周りが拘りのカットを延々とクオリティアップし続けるもんだから、渋々誰もやらない漏れたカットで「木と草を生やしていた」というエピソードは爆笑必至です。