『SPY×FAMILY』や『ウマ娘』といったヒット作の続編の他、『アルドノア・ゼロ』チームがゴリッゴリに拘って作ってる『オーバーテイク!』、主人公が「ギアス」で「追い込み」な『鴨乃橋ロンの禁断推理』、令和の『ダイ・ガード』な『ブルバスター』、自販機に続いて豚が主人公という人外ムーブメントが続く『豚のレバーは加熱しろ』など蓋を開けてみればバラエティ豊かで清濁入り乱れていた秋アニメ。
最近スタジオジブリを傘下にした日テレが金ローでの初回放送や新アニメ枠を立ち上げて猛プッシュしている『葬送のフリーレン』。
監督は丁度1年前に放送された『ぼっち・ざ・ろっく!』のヒットが記憶に新しい斎藤圭一郎さんで、あれも監督デビュー作で驚いたが2作連続での大抜擢とあって次世代のヒットメーカーの臭いがプンプンします。
意外だったのは制作がマッドハウスという点で、社長であり名プロデューサーの丸山正雄さんがMAPPAを立ち上げる為に離脱してから鳴かず飛ばずでガイナックスやゴンゾと同じ末路を辿ると思っていたので一安心。
映像クオリティは言うに及ばず、時代の寵児YOASOBIを主題歌に起用するなど気合の入り方が段違いで、同じファンタジー物の『無職転生』に通じる世界観の作り込みや丁寧な絵作り、とりわけキャラクターがきちんと演技をしている点など正しくアニメをしていて好印象。
それにしても主人公ちゃん。
髪型から衣服の配色まで劇ナデのルリルリがめっちゃチラつくんだけど原作者さんはその辺り意識していたりするのだろうか?。
何気に今期放送作品の中で観ていて一番楽しかったのは『ひきこまり吸血鬼の悶々』。
時代が違えば釘宮理恵さんがやっていそうなヒロインのお姫様が楠木ともりちゃんで『チェンソーマン』のマキマさんからの振り幅が凄い。
(正確にはマキマさんのような役が珍しいのだが…)
働いたら負けな姫様の一挙手一投足がいちいち加虐心をくすぐるし、姫様を(性的な意味で)狙うヤバい侍女、犯罪者揃いのイケメンズやCV福島潤というだけで面白いパパなど、あざとい萌えや露骨なサービスシーンもあるんだけど、それ以上にギャグのテンポ感が秀逸で「ポスト『このすば』になるのでは?」と密かに期待しております。
