雷神を引退したクリス・ヘムズワースが筋肉ゴリラの傭兵を演じ好評を博した『タイラー・レイク』の続編を観る。
お約束の自己犠牲で任務を完遂し命を落としたかに思われた主人公が一命を取り留め、一度は引退するも身内の危機を知らされ新たなミッションを開始するというのが今回の筋書き。
例によってスタント出身の監督が野心的なアクションを撮る為に申し訳程度のストーリーをくっ付けたというウィークポイントはそのままで、描かれる家族愛は話を動かす為にしか機能せず、プロとは思えない不手際で窮地に陥るツッコミどころしかない展開など全くもって評価に値しない。
(主人公の贖罪という意味では一作目の方がまだ説得力があった)
だがしかしアクションに関しては今回も一級品で、前作でも印象的だったワンショット風の長回しは笑っちゃうくらいパワーアップしているし、キアヌ無双のアメコミと化しつつある『ジョン・ウィック』に比べパワープレイで魅せる荒々しいファイトシーンは見応え抜群。
イドリス・エルバやオルガ・キュリレンコなど端役が謎に豪華なのはシリーズ化に向けた布石としか思えないが、良くも悪くも一昔前のハリウッド映画的な大雑把さでもってアクションの見本市をやったような作品でした。