いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ビースト』(2022年) -★★☆☆☆-

各方面から次期007役に猛プッシュされているイドリス・エルバ南アフリカのサバンナで家族を守るためライオンと戦う映画『ビースト』を観る。

人間vsライオン映画と言うとことで、マイケル・ダグラスヴァル・キルマーが共演した『ゴースト&ダークネス』(1997年)を想起したのだが、蓋を開けてみれば動物パニック物を装った自己啓発と家族の絆再生映画だったというのが率直な感想。

そもそも目玉である筈のライオンの描写や設定が実に「ふわっ」としていて、完全武装の密猟者たちを次々と血祭りにあげ麻酔や火も効かない「ディアボロ(悪魔)」として描写しておきながら最後は「そうはならんやろ!」な展開で開いた口が塞がらない。
群れの仲間を殺されたことが発端で人を襲うようになったというのも、思い上がった人間たちへの自然界からの警鐘っぽいのに、そういう方向には話が膨らまず、結局は主人公たちを引き立てる為の舞台装置としてしか機能していないのには心底ガッカリさせられた。

長回し風の凝ったカメラワークや、イドリス・エルバの熱演(医者というには頑丈すぎるが)などは良かったが、個人的には回収されなかったシャールト・コプリーの匂わせ伏線と同じくらい消化不良な作品でした。