いまここにあるもの

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『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020年) -★★☆☆☆-

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アベンジャーズ/エンドゲーム』で歴代興行収入記録を塗り替えたルッソ兄弟がプロデュースし、アフガンでは馬に乗って戦ったハンマーを置いた元雷神クリス・ヘムズワースを主演に迎えたネトフリ映画『タイラー・レイク -命の奪還-』を鑑賞。

雇われの傭兵が誘拐された麻薬王の息子を救出し敵だらけの街から脱出を試みるというどっかで聞いたような話を、南アフリカやメキシコではなくハリウッド資本では珍しいインドを舞台にすることで何とか差別化を図ったこの作品。

飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍するチャド・スタエルスキデヴィッド・リーチと同じスタント出身のサム・ハーグレイブがメガホンを取り、洗練された「技」で魅せる『ジョン・ウィック』に対し本作は『マッハ!!!!!!!!』や『ザ・レイド』のような生々しいアクションを畳み掛ける!。

序盤の誘拐犯アジトでのゴリゴリのパワーファイトからして迫力が凄まじく、市街地でのカーチェイス~アパート内部での集団戦闘~路地でのタイマンまで1カット長回し風に描く凝ったシークエンスは目を見張るものがあります。

しかしやたらと戦闘力の高い麻薬王の側近が乱入してから物語は一気に陳腐化。
「1人で傭兵部隊を壊滅されるスキルがあるなら最初からお前が救出に行けやww」って話だし、第三者を介入させて余計なリスクを背負い込む意味が全く持って分からない。
だいたい麻薬王はコイツを使って敵対組織のボスを暗殺すれば直ぐにでも街を牛耳ることが出来るのに、そうしない理由が一体どこにあるのか?。

父親と違って聡明な麻薬王の息子に病で喪った自分の子供の姿を重ねた主人公が、家族のもとに返そうとするお約束の自己犠牲展開も、その為にあまりに多くの警官の命を奪うもんだから感動なんて出来やしない。
だって全員が全員買収されてる訳ではないし、ただ命令に従っただけの彼らにだって家族は居るでしょ?。

側近の妻子の事も最後はほったらかしだし、意欲的なアクションに対しドラマが貧弱な何とも惜しい作品でした。