いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『トップガン マーヴェリック』(2022年) -★★★★★-

前作でメガホンをとったトニー・スコットが他界し、トム・クルーズと『オブリビオン』でタッグを組んだジョセフ・コシンスキーが監督を引き継ぎ、本来であれば2019年のサマームービーとして公開される筈が言わずもがな延期され続け、この度ようやく日の目をみた『トップガン マーヴェリック』。
主演のトム・クルーズを一躍スターダムにのし上げた大ヒット作でありながら、当の本人が安売りを避け長年企画を温め続けたというトム・クルーズ史上最も時間を掛けたであろう意欲作。

一作目はリアルタイムで観ておらず思い入れがない私のような人間でもセルフオマージュなOPからテンション爆上がりで、『ダンケルク』のノーランよろしく本物の戦闘機を使い実写で撮影することに拘った空戦映像は昨今のCG臭が過ぎるディザスターシーンなんぞ束になっても敵わない迫力と臨場感に満ちている。
渓谷を高速で飛び抜けるシーンや、コブラ機動で背後をとるカットなど、全ての場面が鳥肌必至!。

物語はこの上なく単純ながら王道のド真ん中をマッハ10で突き抜けて行くもんだからむしろ清々しく、前作で描かれた悲劇に端を発する確執を軸にした世代間のドラマも感動を呼ぶ。

若干イーサン・ハントが混じってくるインポッシブルなミッションは「エースコンバットシリーズ」好きならニヤニヤが止まらないし、公式ネタバレが過ぎる昨今のハリウッド映画にあって本作は終盤の展開やサプライズ要素が封切まできちんと秘匿されていた点も素晴らしい。

世界的なパンデミックで配信リリースを再三打診されるもトム・クルーズが断固拒否し劇場での公開に拘ったのも納得の巨大スクリーンと爆音で「体感」すべき正真正銘の映画作品。
大人から子供まで楽しめる皆が憧れた古き良きハリウッド娯楽映画の再来であり、その資本・技術・情熱をまざまざと見せつける文句なしの傑作でした。