若手人気声優が演じるCLAMPキャラを惨殺し、人間ミキサーや踊り食いなどやりたい放題で完全に放送事故だったテレビシリーズに嫌悪感しかなかった『BLOOD-C』の劇場版を重い腰を上げようやく鑑賞。
「今回もまた酷いものを見せられるんだろうなぁ…」と覚悟していたのですが、監督が塩谷直義さんに変わった事で作風が『PSYCHO-PASS サイコパス』っぽくなり、拍子抜けするぐらい普通の作品になっておりました。
Production I.G…というか押井守監督作品常連の凄腕アニメーターが多数参加し、オリジナルの『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を想起させる地下鉄のシークエンスから「これぞ劇場版!!」と言えるハイクオリティなアクションが展開。
ぶっちゃけ新キャラが多過ぎて話がとっ散らかってる感は否めないのだが「粛清」と称した在庫一掃虐殺もないし、最後はクトゥルフ的な巨大クリーチャーとのバトルもあったりとエンタメに徹していて悪くはない。
というかCLAMP作品お馴染みのクロスオーバーで『XXXHOLiC』の四月一日を登場させる遊び心を含め、何故こっちをテレビシリーズでやらなかった?。
これだけ大風呂敷を広げて結局のところ「美しいバケモノに恋をしたニンゲンの常軌を逸した求愛物語」でしかなく、見方によっては純愛になるのかもしれんが、キャラの掘り下げ不足で文人がどうしてそこまで小夜に固執するのか最後まで理解できませんでした。
それにしても、黒幕声優として名を馳せる石田彰さんや櫻井孝宏さんと違い、どうして神谷浩史さんが悪役をやると小者でロクな死に方をしないのだろうか?(苦笑)。
塩谷監督はこの後『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』でも神谷さんを起用する訳だけど、役柄の扱いが今回と全く同じで「何か恨みでもあるんか!」と爆笑してしまいましたww。