いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『バブル』(2022年) -★☆☆☆☆-

企画・プロデュース:川村元気君の名は。』『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』×監督:荒木哲郎進撃の巨人』『甲鉄城のカバネリ』×脚本:虚淵玄魔法少女まどかマギカ』『PSYCHO-PASS サイコパス』×キャラクターデザイン:小畑健デスノート』『バクマン。』×音楽:澤野弘之『プロメア』『機動戦ガンダム 閃光のハサウェイ』という日本アニメ界のトップクリエイターが集結した話題のネトフリ映画『バブル』を鑑賞。

個人的にスタッフのネームバリューに反し予告などを観てもイマイチ惹かれなかったのだが、その印象は本編を観ても変わらず。
要するに「微妙」な作品である。

謎の怪現象によって崩壊した東京を舞台にパルクールで互いの技術を競い合う若者たちが不思議な少女と邂逅する物語なのだが、廃墟と化した都市の風景は新海誠作品ほどの緻密さは無く、作画面も美樹本晴彦テイストを完全再現した『甲鉄城のカバネリ』の衝撃には遠く及ばない。
目玉のパルクールを下地にした無重力アクションもキャラクターの動きが終始ぎこちない上、カメラワークなど演出面も力不足で、先行配信とは言え劇場アニメの体でこのクオリティは如何なものか?。

唐突に良い雰囲気になる主人公とヒロインの関係性も終始「?」で、登場人物が多い割に群像劇にもならず脇役含め誰にも感情移入できないまま「あの子を救いたいんだ!!」系クライマックスに持ち込まれても、こっちは何の感慨も湧いてこない。
エンドロールを見る限り作画スタッフを含め実力派が揃っているはずなのに、どうしてこのような結果になったのか本当に謎。

『空の青さを知る人よ』など近年ノンプロを起用しても演技の面で満足できる作品が増えてきたが本作はそこも失敗しており、こんな事なら中途半端なところで止まっている『甲鉄城のカバネリ』(本作には同作の出演声優も多数参加している)の続きを作った方がよっぽどマシだったのではないだろうか?。