『ハードコア』や『悪女/AKUJO』などVRムーブメントに乗っかって一時期盛んに作られた主観映像を売りにした映画の1つ『リディバイダー』がアマプラに来たので観る。
世界を複製し、そこから無尽蔵にエネルギーを供給しようとしたら「そんなうまい話は無いぞ」って事で、二つの世界がのっぴきならない状態になってしまい元凶であるタワーを破壊しようとするお話。
現実世界では通常の映画と同じ三人称視点で、複製世界に行くと主観映像という野心的な作りをしているのだが、如何せんストーリーがザックリし過ぎていてドラマ自体の深みはゼロ。
家族の話とか織り交ぜてるけどテンプレ過ぎて特に感動もない。
そんな訳で主観映像で展開するシークエンスのみがオモシロポイントになるんだけど、視界に表示される各種パラメーターやダメージ情報、果ては使用している武器の残弾や照準など、誇張表現なく完全にゲームのそれになって流石に笑ってしまった。
配信者が喋らないプレイ動画を観せられているような感覚は斬新と言えば斬新だが、手段が目的になってしまっている感が否めず、数あるFPSゲームに真正面から戦いを挑むのであれば何か1つ、観客を「あっ!」と驚かせる映画だから出来るギミックを盛り込むべきだったのではないだろうか?。