いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

2019年12月終了or終了するはずだったアニメあれこれ。

1クールなのに年内に最終回が放送されない作品が異様に多くて持ち越しになっていたんだけど、1月から再放送してそのまま3月に最終回をやるらしい『アズールレーン』を除いてようやく出揃ったので纏める。

一部グダって流し観に降格したけど『慎重勇者』『俺を好きなのはお前だけかよ』『旗揚!けものみち』『超人高校生たちは異世界でもよゆうで生き抜くようです』『放課後さいころ倶楽部』『ぼくたちは勉強ができない 第2期』『私、能力は平均値でって言ったよね!』『アサシンズプライド』『神田川JET GIRLS』『ライフル・イズ・ビューティフル』『バビロン』辺りは最終回までチェックしました。

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長ったらしい正式タイトルを含め乱造される異世界転生ラノベに対するマイナスイメージを逆手に取り、思わぬハード展開と綺麗な落とし所で視聴者の予想を裏切った『慎重勇者』。

話題をさらった「生乳はみ出ちゃってるから~」や不気味なエンディング、近年稀にみる三石琴乃さん無双といった悪乗りとしか思えない一発ネタで移り気な視聴者を繋ぎ留めつつ、最後は真面目にシリアスやって感動の結末に持って行った意外性に感服。

映画でもそうですが定石外しはやり過ぎれば単なる超展開ですが、ちゃんと伏線があり話の整合性もとれていた上、現在進行形の原作を1クールのアニメとして綺麗に纏めたスタッフの手腕はお見事でした。 

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『このすば』の暁なつめさん原作という点を除けば制作会社が無名だったり不安要素が強かった『旗揚!けものみち』ですが、蓋を開けて見ればクオリティも安定していて純粋に面白かったです。

小西克幸さんをはじめ男性キャストが中堅どころで固められている一方、シグレ、花子、カーミラ、ミーシャ、尻姫アルテナといった女性キャラは若手中心で、しかも全員魅力的な演技をしており、本作を切っ掛けに今後仕事が増えそうな予感。

制作を担当したENGIも初の元受けながら納期も確り守っていたし(近年これが出来ないところが多過ぎる)、次に手掛ける『艦これ』の新アニメも期待できそうです。

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最後発でゴールした「読む劇薬」こと『バビロン』ですが、こういう当たり前の価値観を揺るがす系は個人的に大好きです。
私を含め多くの視聴者は第7話で心が折られたと思うので、そこからオーディオコメンタリー付きの第1話とかブレイクタイムを設けてくれたのは逆に良かったのではないだろうか?。

第2章は『デスノート』よろしく舞台が世界へ移ったわけですが、中村悠一さんが『攻殻S.A.C』を引き合いに出した討論だけで30分使った11話が非常に面白く、バットエンドな最終回も映画とかではよくある展開なので特に不満はありません。

まぁ言葉で他者を操る人間を相手にするなら正崎は自分の鼓膜を破り、読唇術を身につけるくらいの対抗策をとっておけよとは思いましたがね(苦笑)。
だって大切な部下の四肢切断絶叫生ライブを見せられた彼なら、自分への罰を含めそれくらいの事はするような気がするので…。

ラストは結局、曲世に操られ正崎も自殺。
あまつさえ田舎に隠居した彼の妻子にまで曲世が魔の手を伸ばしたという解釈でいいのだろうか?。

確かに「自殺法」の成否を含め尻切れトンボだけど、私はむしろ作品のテーマである「善悪の基準」を「続く事」と「終わる事」と断言し、明確な「答え」を提示した事に驚きを感じ、よくここまで踏み込んだなと感心させられました。
並の作品なら曲世を殺してハッピーエンド。そして「善悪の基準はそれぞれ考えてね♡」で終わっていたはずです。

批判的意見が多いようですが、視聴者に考えさせるという意味で濃厚かつ刺激的でとても興味深い作品でした。