ネトフリに入ったので気になっていた『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランド監督×ナタリー・ポートマン主演の『アナイアレイション -全滅領域-』を観る。
宇宙から飛来した物体を中心に広がり続ける「シマー」と呼ばれる異空間。
そこから唯一生還し昏睡状態になった夫の身に何が起きたのか知るため、生物学者のレナは新たに編成された女性だけの調査隊に志願、「シマー」の正体を解明しようとするのだが…。
あらすじや予告映像などから受ける印象通り限りなくアート系な地球外生命体による侵食SF。
正直ストーリーに関しては全くと言っていいほど目新しさは無いのだが、前作『エクス・マキナ』同様、監督のビジュアルセンスが随所に光っており、白昼夢のような美しくもおぞましい「シマー」内部のイメージは鮮烈。
極限状態における仲違い、得体の知れない何かに蝕まれる恐怖、そしてアレとの対決といった基本は確り押さえているものの、含みを持たせたラストなどはやはりアート系。
単純明快な娯楽作とは一線を画す、観る者の感性を刺激する「面白い」というより「興味深い」と感じさせるタイプの作品でした。