今となっては公開前「キャスト変更」で炎上し「映像が安っぽい」と叩かれていたことが嘘のような超話題・超ヒット作『THE FIRST SLAM DUNK』がネトフリ入りしたので鑑賞。
当方テレビアニメは観ていたが作品そのものには嵌らずキャラ設定などもうろ覚えかつ、バスケの知識もからっきしな「ほぼ初心者」なのだが、青春スポーツドラマとしての完成度の高さに終始圧倒されてしまった。
原作で掘り下げる事ができなかった宮城リョータの過去にフォーカスしつつ、チームメイトや相手エースの心情にもスポットを当てながら、白熱した試合を同時並行で描き切ってしまう妙技。
言わずと知れた名作とは言え、登場人物の紹介も無いまま試合へ突入していく構成は監督・脚本が原作者本人だからできる離れ業であり、これが雇われ監督や脚本家ならもっとセオリーに則った作りをしていたに違いない。
映像面も手描きとCGのハイブリッドで原作の絵柄を忠実に再現したビジュアルが鮮烈で、スピード&臨場感溢れる試合シーンの迫力も凄まじく、クライマックスに掛けての一進一退の攻防は手に汗握ること請け合い。
神格化された原作であり、映画の評価にはそういう部分も乗っているのだろうと高をくくっていたが、いやはやどうして、予備知識がなくても楽しめる文句なしの傑作でした。