いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年) -★★★☆☆-

鬼は外、福は内、ここはCUBEの中。

というわけで奇才ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が1997年に発表した『CUBE』を監督公認で世界初リメイクした『CUBE 一度入ったら、最後』がネトフリ入りしたので節分の夜に鑑賞。

原作は低予算を逆手に取り巧みな脚本と演出で映画好きを唸らせた『SAW』の先輩筋にあたる言わずと知れたソリッドシチュエーションスリラーの名作で、死のトラップが仕掛けられた謎の立方体に閉じ込められた人々を通して極限状態であぶり出される人間の本質を描く。

人物造形やCUBEのギミックなど、序盤は原作に忠実ながら徐々にオリジナル要素を混ぜ込んでいく作りは『ヱヴァ新劇場版』や『FFⅦ REMAKE』のようなワクワク感があり、不評らしい登場人物に寄り添い再生へ向かうドラマもクールで無機質な原作と上手く差別化できていて個人的には好印象。

良くも悪くも「大衆向けアレンジ」で日和ったと言われればそれまでだし、キレやすい若者や大声で喚き散らす老害といったステレオ過ぎるキャラ造形に薄すぎる社会風刺など、この時代に日本でリメイクする意義は全く感じられないのだが、かと言ってボロクソ言われるほど悪い物ではなかったというのが率直な感想でした。

菅田くんの演技とか普通に良かったと思うんだけどなぁ…。