いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

実写版『カウボーイビバップ』が酷過ぎるという話。

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という訳で日本時間では17時頃から配信開始されたNETFLIXプレゼンツの実写版『カウボーイビバップ』。

菅野よう子さんとシートベルツの特別映像など「こんだけアニメリスペクトしてるんです!!」という過度なアピールからして嫌な予感しかしなかったが、3話までチェックした段階で新たな実写化作品の黒歴史爆誕を確信しております。

まず初めに声を大にして言いたいのは

スパイクやジェットが血の気が多いor人を殺し過ぎ!!

ってこと。

賞金稼ぎって「殺しのライセンス」持ってる訳じゃないのに、隙あらば射殺・射殺・射殺って、お前らどんたけトリガーハッピーなんだよ…(;一_一)

そしてキレが無くグダグダで拷問に近い退屈極まりないお遊戯アクションの数々。
アニメ版第1話「アステロイド・ブルース」での素晴らしい格闘シーン(「目に頼り過ぎなんだよ。カメレオンじゃねぇんだ!。そうあちこち見えねぇのさ!!」のところ)を下敷きにした場面なんてホント見る影もないし、アニメの方がよっぽど躍動感あるんだから全くもって救いようがない。
(ついでに書けばレッドアイをキメた時の演出も足元にも及ばない)

当初のアナウンス通り『ジョン・ウィック』で再ブレイクを果たしたキアヌ・リーヴスが主演だったら、27歳設定のスパイクより現時点で30歳年上でも遜色ない体さばきを見せてくれたに違いないし、私は改めてキアヌ=スパイクで作り直して欲しいと割と本気で思う。

銃撃戦に関してもバンバン発砲するくせに須く魅力が無く、とにかくここのスタッフは絶望的にアクションを撮るセンスがない。

思うにNETFLIXの連中は『デスノート』の時に原作を完全無視してボロクソ叩かれたから、今度は免罪符として側(ビジュアル)だけは原作に寄せ、オリジナルスタッフも多数起用したのだろうが、作品に対するアプローチのズレは何一つ改善されていない。

上記の「殺し癖」もそうだし、ジェットは子持ちでやたらとそれをネタにしたり、ビシャスとジュリアを夫婦にするなど、キャラクター性を損なう改変は平気でするのだから、どうかしている。
それでいて「BIG SHOT」のパンチとジュディは完コピとか重要なのはそこじゃないと何故気付かない?。

そもそも『カウボーイビバップ』のオリジナル版は「ハリウッド映画のようなアニメを作ろう」としていたのに、こっちは「アニメのような実写にしよう」としているから何もかも可笑しくなっている。
それこそ英語を日本語に翻訳したOP映像のように。

チグハグな場面展開。無意味な会話。無駄な殺し。
スタイリッシュやハードボイルドとは程遠い下ネタやグロ描写をねじ込んでくる品性の無さも信じられないし、冒涜もいいところ。

肝心の音楽もオリジナルスコアを持ち出してる癖に使い所が悪くて多くの場面で良さを殺しているのもホント最悪で、あの菅野よう子さんが手掛けた名BGMの数々をここまで糞味噌にできるのはある意味、才能だと思います。

そんな訳で一応最後まで観るつもりだけど現時点でもう萎えまくりで、もはや苦行でしかありません。

ちなみに日本語吹き替えは他界されたジェット役の石塚運昇さんなどを除いてゲストキャラまで可能な限りオリジナルキャストが配役されているのですが、根幹の部分が変えられているので同じ声で喋っていても私は別キャラにしか聴こえませんでした。