開発発表済みの「Z9」を差し置いて、ニコンがレトロなデザインの「Zfc」を発表しました。
オリンパスの「PEN-F」同様、その拘りに反しセールス的には失敗となった「Df」のコンセプトを受け継いだような、この「Zfc」はセンサーがAPS-Cという事もあって、じわじわシェアを伸ばしているフジフィルムのXシリーズにガチンコ勝負を仕掛ける気満々。
公式ページは起用したモデルさんを含め、これまでニコンが不得意だった若い女性層へのアピールを積極的に行っているのが印象的。
ただサイズは「Df」と比べれば小型化されているものの女性が「Zfc」を構えている映像を見るに、大きさはそれなりにありそうで、携帯性という面でどう評価されるかが気になるところ。
中身は「Z50」の流用と言えばそれまでだけど、プラ外装などで価格を抑えた「E-P7」と違い、きちんとマグネシウム合金を用いる辺りは質実剛健のニコンらしさを感じる。
ISOとシャッターと露出補正は独立ダイヤル。
Zレンズには絞り環が無いので軍艦部にF値が表示される窓を付け対応したのも面白い。
背面液晶はZシリーズ初のバリアングルになった一方、ボディ内手ぶれ補正が非搭載なのはカジュアルユーザーを対象にしている点を考慮するとマイナスな気がする。
レンズも特殊仕様の「28mm F2.8」が用意されるものの、モダンなデザインのZレンズを装着した場合ミスマッチになりそうで、こういうカメラこそオールドレンズの母艦としてフルサイズで出した方がいろいろと都合が良かったのでは?、と思えてならない。
そうすればフジフィルムとも差別化出来たし、PENなんかを含め「こういうデザインのフルサイズ機が欲しい!」と思っていた層を取り込めた気がするのだが…。
この「Zfc」が売れれば、中身を「Z5」に挿げ替えたフルサイズ版の登場が期待できかもしれませんが、最初からそうしなかった事が後の無いニコンにとって吉と出るか凶と出るか…。
ちなみに発売記念キャンペーンとして本来有償の張り革の無料交換もアナウンスされていますが、後々「ジャパンホビーツール」から出て来そうな張り革キットでも同じ事がやれそうな予感。
タダならお得感が高いけど、サービス期間が過ぎたら自分でやるのも有りかな?。