いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『ウィズアウト・リモース』(2021年) -☆☆☆☆☆-

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『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』の監督ステファノ・ソリマと脚本家テイラー・シェリダンが売れっ子マイケル・B・ジョーダンを主演に迎えて制作したトム・クランシーシリーズのスピンオフ『ウィズアウト・リモース』がCOVID-19の影響で劇場公開を断念しアマプラ配信でリリースされたので鑑賞。

『ボーダーライン』『最後の追跡』『ウインド・リバー』など、これまで米国の抱える問題を鋭く抉って来た社会派テイラー・シェリダンが脚本とあって大いに期待していたのだが、蓋を開けて見れば国家の陰謀とそれに巻き込まれ最愛の人を殺された男の復讐劇という、お定まりの内容で拍子抜けしてしまった。

その上、軍事作戦の描き方も真に迫っていた『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』に比べ稚拙という他なく、3人もスナイパーを配置して手負いの相手を仕留められない間抜けな刺客や、対物ライフルでボロアパートの壁すら抜けない威力設定など首を捻るばかり。

仮想敵国が中国とかなら評価できたがお馴染みの忖度でロシアとなり、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』に負けず劣らず人の国土で好き勝手殺戮しまくった挙句、自己犠牲で仲間を救う主人公をヒロイックに描く終盤のグダグダなドンパチにはハッキリ言って嫌悪感しかない。

主人公の復讐が正義というなら、殺されたロシアの警官や特殊部隊の家族は主人公を殺す正義を遂行する権利があるだろう。

黒幕も捻りが無い。思想が薄い。とにかくオチが弱い。
配信スルーで正解だったと言わざるを得ないガッカリ過ぎる作品でした。

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