カメラが売れない時世にm4/3からフルサイズに浮気して血迷ったかに思えたパナソニック。
最初に出した「LUMIX S1/S1R」は一眼レフ機と同等のサイズ感や操作性からそれらを愛用する層にアピールし、小型軽量は追求せず放熱などを徹底し動画性能を突き詰めていくとばかり思っていたのですが、本日発表された「LUMIX S5」で群雄割拠のカジュアルフルサイズ市場(価格ではなく大きさという意味)に殴り込みを掛けてきて驚かされました。
肩液晶のオミット、EVFと背面液晶のスペックダウン、ダブルSDカードスロットは片方のみ「UHS-Ⅱ」対応、ボディ内手ぶれ補正効果を一段分引き下げるなど「LUMIX S1/S1R」より劣っている部分が多々あるのですが、バッテリーなどを新規設計する事でm4/3機の「G9(PRO)」より小型に仕上げてきたのは衝撃的。
Lマウントのレンズロードマップも更新され複数の単焦点や望遠ズームがラインナップされるなど、「GH5(S)」や前記の「G9(PRO)」の後継機が長らく放置されていることを鑑みても、パナソニックが開発リソースをフルサイズに集中しているのは誰の目にも明らか。
確かにm4/3のレンズ群は一通り出揃っており、ボディも現状の技術範囲でブレイクスルーは難しいのかもしれませんが、オリンパスの分社化と合わせて「m4/3」=「オワコン」というイメージを持たれかねない状況に私は危機感を抱いております。
これだけ先細りしている業界でソニーとキヤノンとニコンとパナソニックが同じ土俵で戦って少ないパイを取り合っても共倒れ必至な訳で「フルサイズ至上主義」に傾倒し、他の可能性の目を摘むのはカメラ業界全体として果たして得策なのだろうか?。
私は趣味の世界だからこそ様々な選択肢があった方が良いと思うし、全員が全員同じ方向を向いていてはスマホに勝てる革新的な商品は出てこない気がするんだけどなぁ…。