いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『攻殻機動隊 新劇場版』(2015年)

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近々ネトフリで新作の配信が始まるので、その前に棚上げしていた『攻殻機動隊 新劇場版』を今更チェックする。

タイトルだけ見れば押井守監督が手掛けた『GHOST IN THE SHELL』を『ヱヴァ新劇場版』よろしくリビルドしたような印象を受けますが、実態は既に無かった事にされつつある『ARISE』シリーズの完結編。
それ故に、これまでの物語を観て予備知識を蓄えていなければ人間関係やキーワードなどチンプンカンプン。
「新劇場版」と名乗るのであれば独立した作品として楽しめるようにするのが筋な気がするし、そもそも何故タイトルを「劇場版 攻殻機動隊ARISE」としなかったのか理解に苦しむ。

クオリティは微妙だった既存のエピソードに比べれば「劇場版」だけあって安定しているものの場面展開のチグハグ感は相変わらずで、まるでぶつ切りにした出来の悪い総集編を観せられているような感覚に陥る。
アクションシーン全般もイマイチ盛り上がらなければ、好みの問題かもしれないが打ち込み主体のBGMも単調で音楽面でカタルシスを感じる部分が一切ないのも致命的。

話自体はつまらない事はないし、公安9課結成に到るまでのエピソードゼロとしてきちんと着地しているのだが、解り易さなど微塵も考慮していない不親切な演出の所為で最後まで流れに乗ることが出来ずに終了。

少佐が「あらそう」といい暗殺を実行→光学迷彩で夜の街に消えるシークエンスは唯一「新劇場版」らしい部分だったが、そこに繋げるならもっと気合を入れて伝説的な押井版を今の時代にアップデートするくらいの本編を作り上げて欲しかったというのが率直な感想。

これではタイトル詐欺と言われても仕方ないし、擁護する気にもなれません。