いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『パシフィック・リム: アップライジング』(2018年) -★★☆☆☆-

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アカデミー賞が獲れるガタオタことギレルモ・デル・トロ監督がロボットと怪獣愛をこれでもかと詰め込んだ『パシフィック・リム』の続編をしれっと値上げしたAmazonプライム・ビデオで鑑賞。
例によって監督降板~プロデュースに回るというお約束展開で、評価的にも興行的にも不発に終わったのですが、娯楽作と割り切れば手堅い作りで私はそこまで悪い印象は受けませんでした。

「チャイナマネーに迎合した!!」と批判されてますが、前作が中国で特大ヒットした以上、続編でそこが優遇されるのは仕方のないことであり、ギレルモ・デル・トロからのラブレターに応えなかった日本の観客が文句を言えた義理ではない。
そもそも内容は言うほど中国上げじゃないし(むしろ小馬鹿にしてる節すらある)、本質的には人種や肌の色、世代や属する組織を越えて皆が一致団結して世界を救うヒーロー映画なので、殆どいちゃもんみたいなものである。

重量感増し増しで巨大な物体が動いてる感をこれでもかと演出して見せた前作に対し、新鋭スティーヴン・S・デナイト監督がメガホンをとった今作は後期『トランスフォーマー』的なゴチャゴチャ感と重力を無視したアクションとCGに頼り切った派手なだけの戦闘の連続で終始印象に残らず、全てのシーンが画になっていたギレルモ・デル・トロ監督のビジュアルセンスには遠く及ばない。
ドラマも薄っぺらなら結末も拍子抜けで「劇画チック」だった前作の面影を感じることは出来ないが、その代わりテンポ感はやたら良くなり伏線もきちんと回収されるのでポップコーンムービーとしては及第点。

外人がイメージする東京や富士山のビジュアルには違和感しかなく、グーグルアースで調べれば世界中の誰でも間違いが分かる時代になってもこういう映像をビッグバジェットの作品で作ってしまうバカらしさと共に、建築物や看板などは中国と混同してるのにユニコーンガンダムだけは完全再現という謎の拘りに大いに笑わせて頂きました。

愛すべきおバカ映画なのでオリジナルキャストの扱いや細かい粗は指摘しませんが、唯一新米パイロットの中から1人だけ犠牲者が出る展開は人種差別と言われても仕方ないレベルで納得がいかなかった。
もし命令違反が悪で自業自得だというなら何故一緒に搭乗していたパイロットは生き残ったのか?。
中国上げだとか変な日本描写より私はこの部分の方が引っ掛かってしまいスッキリできませんでした。