いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

「進撃の巨人」The Final Season 完結編 (後編) を観た。

という訳でテレビシリーズ第4期が「THE FINAL SEASON」と銘打っておきながら終わらず、「THE FINAL SEASON 完結編」とかいう矛盾しかないタイトルで続きを特番放送したかと思えばまさかの「前後編」でしかも間に8ヵ月のスパンを挟むタイトル詐欺が酷かったアニメ版『進撃の巨人』がようやく完結。

制作会社の変更やUHF局からHNKが放送権をぶん取ったり紆余曲折長い道のりだったように感じるが完結には10年しか掛かっていないという事実に驚き。

…いやまぁ10年というのも相当な年月なんだけどアニメ業界には「エヴァ」や「ガルパン」といった頭の可笑しいタイトルがゴロゴロあるし、そうじゃなくても最近は数年越しに新シリーズ・何十年振りの新作orリメイクがざらなもんで勘違いしてしまう(苦笑)。

物語的には前回めちゃくちゃいいところで引っ張ったんでアクションに次ぐアクションで全編クライマックス状態。
ただドラマとしての盛り上がりは前編の方がエモーショナルで、8ヵ月もスパンを開けてやるのはあらゆる意味でマイナスだったと改めて思ったし、演出や作画レベルもぶっちゃけ今期の『呪術廻戦』や『葬送のフリーレン』ほど高くなかったというのが率直な感想。

開始当初は「僅かに生き残った人類と人食い巨人の戦い」が主題のダークファンタジーだったが、世界の真実が明らかになると恐れ憎しみ拒絶し殺し合う人間同士の血みどろの戦争ドラマへ変質。

独裁的な国が発禁にしたのも頷ける、憎しみを向ける相手もまた同じ感情を持った人間であることを痛切に訴えるが、他作品のように平和が訪れる事もなく結局のところ「殺すか・殺されるか」という事実をまざまざと見せつけるシニカルさが実にエグイ。

エピローグでは新たな争いの足音が響き、エンディングではご丁寧に未来の戦争を示唆する映像まで盛り込まれるなど、エレンたちの犠牲に意味はあったのだろうか?とひたすら虚しい気持ちにさせられた。

思えば「THE FINAL SEASON」放送中にロシアがウクライナに侵攻し、今まさにガザで地上戦が繰り広げられるなど、嫌な時事性が生まれてしまっているが、それ故に今語るべき・観るべき物語であったことは間違いない。