いまここにあるもの

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『ベイビーわるきゅーれ』(2021年) -★★★☆☆-

単館上映で好評を博した阪元裕吾監督の『ベイビーわるきゅーれ』が各種サブスクに加わったので観る。

同監督の『ある用務員』に登場した「JK殺し屋コンビ」を主人公にしたスピンオフという事だが、元の作品を観ていなくても問題なく楽しめる。

掃除屋が暗躍する日本を舞台にした女性2人の凸凹バディ物という事で直近のアニメ『リコリス・リコイル』を想起するが公開はこちらが先で、「殺し屋が所属する協会」や「死体の始末屋」などどちらかと言えば『ジョン・ウィック』の影響を強く感じる。
(ちなみにJK殺し屋コンビの片割れを演じる伊澤彩織さんはようやく日本公開された『ジョン・ウィック チャプター4』に参加していたりする)

ダウナーなバイト面接が突然殺し合いに発展する冒頭部分から、日本映画的な良い意味で地味な空気感と、近年勢いのあるキレッキレな国産アクションのコントラストが鮮烈。

陰キャな金髪」と「陽キャの黒髪」という主人公2人のキャラ付けが実に二次元的で、素な会話から突然繰り出される暴力描写、取り分け団子の串で鼓膜グサッが完全に北野武監督リスペクトだったりと、元ネタを探りながら観るのも面白い。

かなりの低予算で制作された事は容易に想像できるのでスケール感はそれなりだし、ストーリーは「殺し屋の日常系」って感じであってないようなものだが、アクション監督に園村健介さんが参加するなど近年勢いのある日本のアクションシーンの一端を垣間見ることができるという意味でも一見の価値のある作品でした。