新作映画が好調の青春ブタ野郎シリーズの１つ前の劇場作品『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』を今更観る。
この作品ラノベ然としたタイトルもあって誤解されがちだが、中身は凄くよく出来たSFライクな青春群像劇で、少なくとも萌えキャラの一挙手一投足に「ぶひぃ～」する作品では断じてない。
そして今回は愛する「恋人」と自分を救ってくれた「恩人」。
2人の未来を巡る純度の高いラブストーリーが展開し、優秀なスタッフの丁寧な演出や声優さんの真に迫る演技によってめちゃくちゃ感情を揺さぶられた。
テレビシリーズでは明かされなかった「牧之原翔子」の謎にフォーカスした物語であるのだが、それ以上にシリーズの正ヒロイン「桜島麻衣」さんのイイ女っぷりが炸裂。
クーデレを地で行く彼女だが、とある事情で溢れ出す咲太への想いの吐露の破壊力が本当にエグイ。
終盤は驚きの展開の連続でタイムリープ物が好きなら一見の価値あり。
総尺89分とは思えない密度と余韻で、かなり重いテーマなのだが最後はささやかな救いもあって、いやはや参りました。
内容的にテレビシリーズからキャラクターやエピソードなどがリンクしているので、そちらの履修は必須ですが、言うて1クールだし面白いので一気観することをオススメします。
