WOWOW×羽住英一郎監督の『ダブルフェイス』~『MOZU』チームによって制作された『太陽は動かない』が海外配信限定の『シン・エヴァ』ばりに公開から半年と経たずにアマプラに来たので鑑賞。
『バトロワ』で首に爆弾を付けられた藤原竜也が今度は心臓に爆弾を埋め込まれ、1日1回の定期連絡を行わないと爆殺されるエージェントに扮したこの作品。
ブルガリアで行われた大規模ロケなどが話題となったが、これは完全に「手段が目的になってしまった」日本映画の悪い例。
↑アバンのチェイスシーンなどハリウッド映画の焼き増しながら見応えがある一方、アクションシーンの合間に挿入されるドラマと呼ぶには余りに薄っぺらい小話が全くもって機能していないのが致命的。
何より『MOZU』同様、どいつもこいつも自己陶酔した「ええかっこしい」でいちいち癇に障るし、無駄にデカい声でわめくもんだから感情移入なんて出来やしない。
スパイ物という割りに基本暴力で解決しており、およそ頭脳戦と呼べる物は存在せず、何故かみんな片言な回想パートとか、必要性を感じない子供を誘拐された夫婦のエピソードとか、佐藤浩市が急に語り出す主人公の過去話とか全く心に響いてこなかった。
終いにはエンディングで前日譚であるドラマの映像を流したりして、そっちを観ていない人間には何のこっちゃサッパリ分からない。
タイトルは独立した作品を装っているのだから、最低限予備知識がなくても楽しめるように仕上げるのがプロってもんだし、普通に考えたら冒頭にダイジェストをアタッチメントして説明するのが筋ってもんだろ?。