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カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『エイリアン:ロムルス』(2024年) -★★★★☆-

ポスター画像

オリジンであるリドリー・スコットが監督した近作『プロメテウス』『コヴェナント』がイマイチな出来で「ターミネーター シリーズ」と同じくオワコン化しつつあった「エイリアン シリーズ」で久し振りに批評的にも興行的にも大成功を収めた『ロムルス』が年明けとともにディズニー+に加わったので観る。

辺境の惑星で半強制労働に従事する若者たちがそこから抜け出すために宇宙船に忍び込むという約束された死亡フラグでもってゼノモーフという最悪の恐怖と対峙する『ドント・ブリーズ』の監督が『エイリアン』で同じ事をやったった感はありつつも、時系列を1作目と2作目の間に設定し、CG一辺倒でなく着ぐるみ・アニマトロニクス・ミニチュアを多用した撮影手法で文字通り原点回帰を目指した意欲作。

私自身このシリーズにそこまで思い入れは無いが随所にイースターエッグが仕組まれていることは感じ取れたし、モロにラジコンなフェイスハガーを含む往年の特撮っぽい雰囲気もCG臭が酷過ぎて逆にチープな近年のハリウッド大作へのアンチテーゼとなっているのも面白い。

直近の『シビル・ウォー』など話題作への出演が続くケイリー・スピーニーなど、若手or無名で固めた配役も効果的で、イザベラ・メルセードのスクリームクイーンっぷりも良いが、キャラ的にはデヴィッド・ジョンソン演じるアンドロイドがぶっちぎりで魅力的。

密室空間に加えタイムリミットのオマケ付きで最後まで緊張感が持続する上、予告にもある肉体を透過するライトの嫌~な使い方や宇宙空間に出ると無音になる演出など見せ方もとにかく巧い。
伏線が「ココ伏線ですよ!!」と主張し過ぎな気もするが綺麗に回収されていくので気持ちが良いし、シリーズ物でありながら単独でも十分楽しめる秀作でした。

ちなみに本作のヒットを受けスタジオは早くも続編の制作にGOサインを出したらしいが、監督は「続編を急ぎ過ぎるのは良くない」的な事をインタビューで話していたので正直降板しそうな気がしてならない。
そもそも時系列が1作目と2作目の間であるなら続編は『エイリアン2』になるはずなのだが、商業主義に走って失敗するのはヒット作の常とは言えどうなることやら…。