いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『君たちはどう生きるか』(2023年)

御年82歳の宮崎駿監督が長編作品引退を撤回し取り組んだ『君たちはどう生きるか』を観る。

スタジオジブリ一社出資による実質「自主制作映画」であり、故に「宣伝なし」という鈴木Pの奇策に誰も口出しできず、それでもご存じの通り大ヒットとなったもんだから「宣伝費使うのバカみたいじゃん」という流れになっているのだが、ぶっちゃけこんな手何度も通じる訳ないし、そもそも宮崎駿監督のネームバリューあっての物種なので、そこらの馬の骨がマネしたところで結果が出せるとは到底思えない。

未だに本編カットのメディア露出もなく、パンフすら未発売という箝口令が続いており、それがSNSなどの口コミ効果すら抑制しているように感じるのだが、恐らくどっかのタイミングで情報解禁して一気にブーストを掛けるつもりなのだろう。

個人的にジブリ信者じゃないし、宮崎駿監督作品も未見なのがちょいちょいあるので、フラットな気持ちで挑んだが「監督すげぇ!」と思うところと「それはどうなん?」と思うところが半々って感じ。

ネタバレは避けて書くけど、もの凄く丁寧でじっくり進む前半パートと比べ、後半パートがかなりダイジェストでペース配分に関しては大いに疑問。
前半あそこまで時間を掛けて作った「道具」などの伏線が後半でほぼ意味を成さないし、クライマックスも勇み足過ぎて少なくとも私はカタルシスを得る事はできなかった。
(ぶっちゃけラストは「これで終わり」とすら思った)

その一方で全編通して印象深い、身体性溢れる所作、驚異的な火や風や水の表現、そしてジブリ飯テロ(笑)などなど、手描きアニメの神髄をこれでもかと堪能できるので作画オタクはそれだけでご飯何杯もイケること請け合い。

正直メッセージ性などは「ふわっ」としていて、何が言いたいのか、どこに要点を置きたいのかイマイチ伝わってこなかったが、それでも傘寿を越えてこれだけの映像を作ってしまう宮崎駿監督のイマジネーションの凄さには誰も異論ないはずだ。

それにしてもウルトラマンやってFFやってジブリの主題歌をやった米津くん。
あと何を担当すればグランドスラム達成だろうか?。