「シン」の名を冠する作品としては初めて初登場2位に甘んじた『シン・仮面ライダー』。
公開から1週間と経たずに入場特典第2弾のアナウンスをしたり、ネタバレ満載な「追告」を投入と配給会社の焦りを感じるのは私だけか?。
個人的に「面白くない」という事はないが万人にオススメは出来ない形容し難い第一印象だったのだが、租借するとジワジワ再見したくなる怪作であり、刺さる人にはぶっ刺さる快作なのでは?という考えに今は至りつつある。
特撮カットでトラックが宙を舞う冒頭のカーチェイスを経て、エヴァ三号機ばりに顔面破壊されるショッカー戦闘員の惨状に「PG-12」の所以が集約されている。
幼少期きちんと触れなかったのは漠然と『仮面ライダー』=「怖い(グロい)」というイメージがあったからで、まさにこういうイメージだった。
個人的に本作で一番鼻についたのがサプライズキャストの乱用で、実写「シン」作品皆勤賞の2人が、当初からアナウンスされていた塚本晋也さんや手塚とおるさんより出番が多いのは「なんか違くね?」と思ってしまったわけ。
『シン・ウルトラマン』の時の竹野内さんくらいならファンサービスだけど、ここまでガッツリ本筋に絡んでくると「くどい」し、開始30分も経たずに出てくるもんだから気が散って少なくとも私は作品世界への没入を阻害された。
声だけの出演の松坂桃李くんや、特殊メイクバリバリの本郷奏多くんは誰か分からずスルーできたが、長澤まさみさんはキャラの扱い含め完全に無駄遣いでしかなく残念感が凄まじい。
市川実日子さんのポジションこそが理想的な友情出演なのだが、出番が回ってくる頃には「まだゲスト居んの?」って感じて有難みが無くなっているのが本当に惜しい。
今回「尾頭さん」や「メフィラス星人」ほどバズっているキャラはいないが、個人的に一文字隼人の達観しているようで熱血漢な感じは凄く好みで、とつとつとした語り口でどこか人外感のある本郷猛より人間臭くて私は親近感がわいた。
パンフレットのスタッフインタビューによると庵野さんの拘りでCGモデルによるアクションシーンは意図的にコマ数を落としてアニメ風の味付けにするなど、見た目以上にポストプロダクションに時間を掛けた模様。
動きにカクカク感があったのはそういう理由からなんだけど、多くの人にはむしろそれがクオリティが低いと捉えられてしまうので「本末転倒では?」と感じなくもない。
上のカットでも不揃いなショッカー戦闘員の身長をCGで合わせたらしく、担当スタッフも「誰も合成だと思わない」とか言ってて、『シン・エヴァ』ラストで宇部の町並みに存在しない「太陽家具」のビルをCGで追加した話同様、低予算に見えてこういうところで想像以上に製作費が掛かってそう。
最近の庵野さんは経営者として商業的に成功させる為の作品作りをしている旨の発言を度々していますが、こういう凡人には理解できないところにお金を掛けちゃうのは相変わらずでなんか安心してしまう(苦笑)。
タイトルに「ライダー」とあるだけに印象的なバイクシーンも多かったけど、『FFⅦAC』を彷彿とさせる終盤のトンネル内で戦闘は映画館だと暗くて何してるか分からなかったが追告だと比較的ハッキリ観えているのでIMAXやDolby cinemaなら違ったのかな?。
正直初見は面食らう事が多く純粋に物語を楽しめなかったのですが、案外覚悟が出来ている2回目とかで一気に化ける作品なのかもしれません。
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— 株式会社カラー (@khara_inc) 2023年3月24日
NHKドキュメント「#シン・仮面ライダー」
~ヒーロー・アクション挑戦の舞台裏~
放送決定!
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制作の様子を2年にわたり取材して頂きました
☛BSプレミアム:3/31(金) 22:00〜23:18
☛NHK総合テレビジョン:4/15(土) 19:30〜20:48
ぜひご覧ください👀#シン仮面ライダー
脚本・監督 #庵野秀明 pic.twitter.com/uXLUnu9J4t
月末にはドキュメント番組が放送されるようだし、それを観たら2回目行こうかな?。