リーアム・ニーソンとタッグを組むイメージの強いジャウム・コレット=セラ監督×『キングスマン』でブレイクしたタロン・エガートン主演のネトフリ映画『セキュリティ・チェック』を解約する前に観る。
夢も出世欲もなく日々を浪費する空港職員の男が恋人を人質に取られ、テロリストのセキュリティゲート通過を手助けするよう強要されるお話。
少しばかり頭が切れるタロン・エガートン演じる空港職員VSジェイソン・ベイトマン演じるテロ仲介業者の頭脳戦と言えばそうなのだが、あれだけネットワークを自在にハッキングできるのに妙にアナログな現場主義で詰めが甘い犯人グループの行動に?マークが続く。
スマートに仕事をしたいのかと思えば邪魔な人間は次々と排除するパワープレイで、結果注目を集めて足が付いたり警備を強化されるのは作劇上の必然とはいえ如何なものか?。
それでも第二幕まではスリルが持続し楽しめるのだが、何故か一介の捜査官が大規模テロに関する重要な決断を下したり、容疑の晴れていない一般人に事件の解決を一任する第三幕は、素人目で見ても無理があり過ぎて興醒め。
マイケル・ベイの『ザ・ロック』リスペクトな悪党の末路もリスクが高過ぎて「ええ…」となったし、犠牲者を忘却したハッピーエンドを含め大らかな時代のアクション映画を観ているような錯覚に陥る作品でした。