『パージ』『ゲットアウト』のジェイソン・ブラム、『SAW』『死霊館』のジェームズ・ワンという低予算ホラーの名手がタッグを組んでプロデュースした『M3GAN ミーガン』を観る。
端的に言えばA.I.版「チャイルド・プレイ」で、両親を事故で喪い塞ぎ込んだ姪にロボット工学者が自立思考型のロボット「M3GAN」を話し相手としてプレゼントするが、インプットされた「彼女を守る」という命令を拡大解釈し危険と見做した対象を物理的に排除し始める…というのが本作の筋書き。
SFファンからすれば「ロボットオタクの癖にアイザック・アシモフ読んでねぇのかよ!」って感じだが、そもそも一個人がターミネーターばりの高性能ロボットを試作している時点で割と無茶苦茶なんで、雰囲気を楽しむタイプの作品と割り切るべし。
低予算であるが故に忖度なく犬も子供も老人も殺されるので気分を害する人もいると思うが、子供の情操教育には全てを肯定するのではなく時にはきちんと叱ることも必要だと思いのほか深い育児テーマに踏み込んでいるし、最後は『エイリアン2』のパワーローダー的お楽しみもあって、なかなか面白い作品でした。