ガイ・リッチー×ジェイソン・ステイサムがまたまたタッグを組んだ『オペレーション・フォーチュン』を観る。
無関係な人間が死にまくりの陰惨な復讐劇だった直近の『キャッシュトラック』に対し、今回はポップでウィットな軽いノリの諜報員(スパイ)物で印象が全く違って驚かされる。
作風的には同ガイ・リッチー監督の『コードネーム U.N.C.L.E.』にかなり近く、あちらが好評だったにも拘わらずアーミー・ハマーのスキャンダルで続編が立ち消えになったので、その代替で作ったのでは?と勘繰らずには居られない。
ご多分に漏れずジェイソン・ステイサムは仏頂面で腕っぷしがやたらと強い何時ものジェイソン・ステイサムで既視感しかなく、(アクションは出来るし肉体維持も出来ているが)順調にスティーブン・セガール化が進んでいる。
そんな訳でキャラ的に面白かったのは胡散臭い武器商人を嬉々として演じたヒュー・グラントその人であり、その武器商人がファンなハリウッドスターを落ち目感のあるジョシュ・ハートネットがこれまた楽しそうに演じていて、最終的に主人公サイドよりこのコンビが美味しいところを持っていく。
緻密な諜報戦が描かれるわけでも、インポッシブルなミッションが展開するでも、ド派手なアクションや大どんでん返しがある訳でもなく、映像映えする国々を回って手堅く纏めたそんな印象ですが十分に楽しめました。