北欧に伝わる妖精「トロール」を、日本の「ゴジラ」や、米国の「キングコング」よろしく「巨大不明生物」として現代に甦らせたノルウェー発のネトフリ怪獣映画『トロール』を観る。
まずCGのレベルがハリウッドなんかと比べても遜色ないことに驚かされるが、炎の中佇む姿は『ギャレゴジ』だし、ヘリと戦う様はまんま『髑髏島の巨神』で、絶叫スロー股下潜りは『トランスフォーマー』と、カメラワークやビジュアル的な目新しさは皆無。
変人の専門家やコメディリリーフといったコテコテの登場人物や、子供騙しな「そうはならんやろ!」展開など米国製モンスターパニックの悪いところばかりコピーした結果、オリジナリティの欠片も無い模造品と化してしまっているのが残念でならない。
トロールは大自然の象徴だったり、愚かな人間の被害者として描く、初代『ゴジラ』的なスピリットが込められてるのかと思いきや、最後は呆気なく切り捨てて結局何を伝えたかったのか?。
一般的なノルウェー映画がどういう作風が分からないが、自国の伝承を題材にしているのだからこんなパチモンではなくもっとお国柄を出しても良かったのでは?と思わずにはいられない。