通して観たのは『無職転生 ～異世界行ったら本気だす～ 第2クール』『ジャヒー様はくじけない!』『見える子ちゃん』『海賊王女』『takt op.Destiny』『古見さんは、コミュ症です。』『白い砂のアクアトープ』『先輩がうざい後輩の話』くらいだった私です。
近年のアニメは映像面のクオリティは本当に高くなったと感じる反面、脚本が残念なタイトルが多過ぎる気がする今日この頃。
原作ありきだとそうでもないが、完全オリジナル作品だとそれが顕著。
今クールで言えば(分割2クールで完結していないが)『境界戦機』がそうで、設定のシリアスさにそぐわない稚拙な描写・展開が多過ぎて私は視聴を打ち切ってしまった。
夕方18時台で若年層をターゲットにするなら良いが、大人の視聴に耐えるプロットとは思えず、設定が似通りつつもピカレスクロマンとして痛快だった『コードギアス』が再放送しているだけに余計そう感じてしまった。
『海賊王女』はProduction I.G制作×中澤一登さんが監督とあって画作りは一貫して美しかったのだが、「侍」や「海賊」や「王女」といった活劇要素盛り盛りな割にそこまで盛り上がらなかったなというのが率直な感想。
ジャンヌ・ダルクなど史実の人物を絡め、終盤はオカルトめいた要素を加えるなど、『インディ・ジョーンズ』な作風を目指したのかもしれないが、アニメならではの外連味が然程なく、王道を往くかと思えば雪丸とフェナの結末はほろ苦い感じでスッキリさせてくれなかったのも、う～む…。
あと脇役、特に女海賊団の面々とか見た目が超濃い～のに扱いが淡白だったのも残念で、もっと活躍して欲しかった。
P.A.WORKSの虎の子「お仕事アニメシリーズ」最新作『白い砂のアクアトープ』は『花咲くいろは』のように閉館寸前の水族館を立て直す物語かと思いきや、1クール目で舞台となった「がまがま水族館」が閉館し、2クール目から新規オープンした「アクアリウム・ティンガーラ」に舞台が移る構成にビックリ。
飼育員志望のくくるが事務に回され仕事が上手くいかず挫折するなど理想と現実といったシビアな面が描かれる一方、がまがまのメンバーが誰一人欠ける事無く丸っとそのまま新しい職場に移動して来たのはご都合主義な気がしなくもない。
実際問題、知識のある即戦力は重宝されるのだろうが、知夢さんがあれだけこの業界は狭き門と言っていただけに矛盾を感じてしまったのは私だけではないはず。
登場人物に関しては皆キャラ立ちしていて良かったけど、初期メンバーだけでも過多なのに2クール目で更に増員された結果、掘り下げられない人物や伏線があったのもまた事実。
空也さんの女性嫌い…はまぁ良いとして(おい)、事ある毎に匂わせていた櫂くんのくくるへの想いが放置されたまま終わったのは流石に不憫でならない。
お仕事アニメに色恋は不要と言えなくも無いが(事実これまでのシリーズもそうだった)、風花とくくるの百合百合しい描写には力を入れていただけに、この差は何?。
最終回の落としどころが「結婚式」なのも、くくるのプランが成功したという意味でお仕事ドラマ感はあったけど、水族館が舞台の作品でこれがクライマックスで良いのか?という気持ちは若干ありました。
いろいろ書いたけど最近外し気味だったP.A.WORKSでは久し振りの良作だったと思います。
