いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『THE GUILTY/ギルティ』(2018年) -★★★★☆-

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安定と安心のサンダンス映画祭で絶賛されたデンマーク発の極上スリラー『THE GUILTY/ギルティ』のリメイク版が来月からNETFLIXで配信されるので、その前にオリジナル版をチェックする。

緊急通報司令室のオペレーターのもとに掛かってきた1本の電話。
最初は悪戯かに思われたが相手の女性は何者かに拉致され、子供に電話すると装って連絡してきたのだった…。

通話を頼りに事件を解決する映画は過去に『セルラー』(2004年) などがあったし、それほど目新しいアイデアではないのだが、それをワンシチュエーションスリラーとして描き切ったグスタフ・モーラー監督の手腕、そして主演のヤコブ・セーダーグレンの演技力でもって一時も目が離せない傑作に仕上がっている。

「THE GUILTY (原題 Den skyldige)」の意味が判明するラスト20分のでんでん返し。
先入観や思い込み、こうあって欲しいという願望が如何に人の目を曇らせるか。
物事は額面通りではないし、人は多くの悩みを抱え生きている。

そんな事を痛感させられる結末は、あたかもバイアスが掛かった情報で顔も知らない誰かを断罪し続ける現代人に対する戒めのようにも感じられた。