『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でファンにボロクソ叩かれたのに新作をやりたいと豪語するメンタル強者を通り越して最早KYなライアン・ジョンソン監督が、007を卒業したダニエル・クレイグを引き続き主演に迎え好評を博した『ナイブズ・アウト』の第2弾をこしらえたので鑑賞。
駄作の宝庫であるネトフリ映画にあって前作は貴重な当たり枠としてめちゃくちゃ楽しめたので何の不安も無かったが今回も普通に面白かった。
007の呪縛から解き放たれたダニエル・クレイグが嬉々として探偵役を演じているのが伝わってくるし(コロナ禍で仕事が減り風呂場で不貞腐れて『Among Us』をプレイするシーンは必見!)、大富豪役の演技派エドワート・ノートンも珍しく滑稽で仰々しい三枚目演技で応戦。
ヒュー・グラントやイーサン・ホークのちょい役もビックリだが、監督のお友達枠としてジョセフ・ゴードン=レヴィットやノア・セガンもカメオ出演し前者に至っては時計の時報だけとかでホント草。
ジャレッド・レトやジェレミー・レナーを弄り倒すなど映画ネタが多いだけに『スペクター』で殺し合ったダニエル・クレイグとデイヴ・バウティスタが一緒に居るだけで笑えてくるし、ゲロインとして強烈なインパクトを残したアナ・デ・アルマスとは別ベクトルで大活躍なジャネール・モネイの酒乱ヒロインもGood。
前作比で笑えるポイント増し増しで楽しい反面、ミステリや推理要素はものすっごい薄まって、良くも悪くもキャラクターやその掛け合いを楽しむ作品になった感あり。
文字通り「力技」な幕引きと、とばっちりでしかない「モナ・リザ」の扱いを含め、終盤は「どうしてこうなった」状態だが、それでも2時間退屈せず楽しめる良作でした。