傑作『スカイフォール』と、微妙だった『スペクター』のサム・メンデスが007後に監督した話題作が、まさかのアマプラ入りしたので鑑賞。
第一次世界大戦を舞台にドイツ軍の待ち伏せ作戦を最前線の連合国軍に伝える任務を与えられた2人の兵士の姿を最新の映像技術を駆使し、あたかも全編ワンカットのように描いた意欲作。
敵陣深くにいる仲間の元へ向かうという点は『プライベート・ライアン』を彷彿とさせるが、友軍を救う為の非戦闘任務に焦点を当てた作風は『ダンケルク』のそれに近い。
売り文句のワンカット風の作りは合成技術でどうとでも編集できてしまう昨今そこまで新鮮味はなく、むしろ私は1日の出来事にしてはドラマチックな事が立て続けに起こり過ぎる強引な展開の方が気になってしまった。
広い草原の中で狙ったように突っ込んでくる飛行機や、そこにタイミング良く通り掛かるマーク・ストロング。
ドイツ軍がウヨウヨしている中、サバイバル能力の低そうな民間人が赤子連れで逃げ果せているなどなど、「これは主人公が見ている白昼夢なのでは?」と疑いたくなること請け合い。
塹壕の泥臭さや砲撃の中を駆け抜けるハイライトシーンのリアルさと相反する映像栄えを狙ったとしか思えないフィクション然とした描写によって、ある種のファンタジー映画を観ている様な感覚に陥りました。