
興収が低下した『キングスマン』の4作目を撮る代わりに新規IPとして制作するも大赤字で三部作構想があっさり潰えたマシュー・ヴォーン監督の『ARGYLLE/アーガイル』を観る。
ヘンリー・カヴィル、ブライス・ダラス・ハワード、サム・ロックウェル、ブライアン・クランストン、ジョン・シナに加え『デッドプール』のピーターことロブ・ディレイニーや、『キングスマン』繋がりでサミュエル・L・ジャクソン&ソフィア・ブテラまで超豪華な俳優陣を揃えているが、アバンのCG臭が酷過ぎる迫力ゼロのカーチェイスからして演者のギャラだけで2億ドルの製作費が消えたとしか思えない安っぽい出来栄え。
スパイ小説の作家が書いた物語が真に迫り過ぎて本物のスパイ組織に狙われる…という筋書きのスパイ映画なのだが、一部セルフオマージュのような事をしているにも関わらずあらゆる面で『キングスマン』の完成度に負けてしまっているのは如何ともし難い。
ヘンリー・カヴィルなどスター俳優たちが主役と思わせるミスリードも失敗しており、代わってメインを張るのが『月に囚われた男』などは良かったがトム・クルーズのようなアクション俳優は苦しいサム・ロックウェルに、役作りなのかすっかり肥えたおばちゃんになってしまった『ジュラシック・ワールド』のブライス・ダラス・ハワードという、ビジュアル的には脇役コンビで絶望的に華が無い。
マシュー・ヴォーンてその辺りのセンスはある監督だと思っていたので、マジで裏切られた気分だし、クライマックスでムチムチしたおばちゃんのドヤ顔とパンチラをこれでもかと見せ付けて来た時は軽く怒りを覚えた。
二転三転するストーリー自体は面白いと思うが、9割ブルーバックとセットで撮影しました感丸出しの酷い映像など昨今のハリウッド映画の悪癖も鼻につき、「こんな事なら素直に『キングスマン4』作っとけば良かったろ!!」という感想しか浮かんでこない作品でした。
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