『ザ・フォーリナー』『マーベラス』とアジア案件が続いたマーティン・キャンベルが、すっかり「凄腕の○○」な人が板についたリーアム・ニーソンとタッグを組んだ『メモリー』を観る。
子供を標的にする極悪非道な犯罪組織を孤高の殺し屋がぶっ潰すというお馴染みの「舐めた相手が悪かった系映画」なのだが、リーアム・ニーソン演じる主人公がアルツハイマーを患い記憶を失いながら戦うというのが本作のユニークな点。
重要事項を体に書き留めるなど映画好きなら『メメント』を想起するが、事件を追う正義感溢れる刑事役でガイ・ピアースを配しているあたり確信犯というほかない。
リーアム・ニーソンvs人身売買組織という図式は『96時間』だが主人公はあそこまで無敵ではなく、女子供が容赦なく殺されるなど雰囲気は陰惨で、記憶の不確かさや正義(司法)の意味を問う幕引きを含めアクション主体というよりドラマ重視の硬派な作品でした。
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