いまここにあるもの

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『ディヴォーション: マイ・ベスト・ウィングマン』(2022年) -★★★☆☆-

トップガン マーヴェリック』のハングマン役で強烈な印象を残したグレン・パウエルが、今度はレシプロ機に乗って朝鮮戦争を戦う『ディヴォーション: マイ・ベスト・ウィングマン』が日本では配信スルーでネトフリ入りしたので鑑賞。

グレン・パウエルの役名がトムだったり、空母への着艦シーンや次世代戦闘機とのドッグファイト、雪原からの脱出劇と、二匹目のドジョウを狙って制作されたと言われても仕方ないくらい類似点が多いのだが、公開時期にそこまで開きが無いので恐らく偶然の産物なのだろう。

ちなみにグレン・パウエル自身、同じような作品に連続出演して良いものか迷ったらしいが、トム・クルーズが「やっていいんじゃない?」と背中を押してくれたそうな。

内容としては人種差別があからさまだった時代に同じ部隊に配属された黒人と白人パイロットの友情を軸に描く戦争映画。
グレン・パウエルの話ばかりしているが、映画の主役はジョナサン・メジャース演じるアメリカ海軍初の黒人飛行士「ジェシー・L・ブラウン」その人であり、当時の差別的な世相に屈せず国の為に戦った彼の生き様を描いている。

映画的な創作と思わせる箇所もちょいちょいあるが基本は史実に基づいているため娯楽指向の派手さやカタルシスは乏しく、空戦シーンも実機を飛ばしたクリストファー・ノーランの『ダンケルク』などの前では見劣りしてしまう。

しかし昨今のチャイナマネーに迎合したハリウッド界隈では考えられない中国軍との戦闘なども確り盛り込まれており、故人の功績をきちんと描こうとする作り手の敬意が確りと伝わってくる作品でした。