アマプラに上がっていたブラッド・ピット主演の『アド・アストラ』を遅ればせながら鑑賞。
かつて地球外生命体を探すため宇宙の果てへ旅立った伝説的宇宙飛行士の父親が地球に迫る危機の原因である事を知らされた息子が、それを食い止める為のミッションに挑むというお話。
あらすじや予告映像から『インターステラー』的なスペクタクルを想像していたら、主人公の独白と抽象的な映像などテレンス・マリック的だったというオチ。
舞台設定は軌道エレベーターや火星基地などが存在する近未来で宇宙船や宇宙服などは非常にリアルに描かれているのだが、それが地球から離れれば離れるほど往年のSF映画(『惑星ソラリス』や『2001年宇宙の旅』)的なデザインや色使いになっていくのが面白い。
映画好きとしては『スペース カウボーイ』のトミー・リー・ジョーンズとドナルド・サザーランドが再共演しているのにクスッとさせられたが、それをネタにした要素は当然無く、地球滅亡の危機や数十億光年の旅というマクロな導入部から、最終的に1人の壊れた人間の心が再生するミクロな話へと収束していく。
良く言えば宇宙で展開するロードムービーなのだが、悪く言えば自己啓発でしかなく、個人的に嫌いではないが、ハリウッド的なエンタメSFを期待する層には間違ってもオススメ出来ない作品でした。
※予告映像は酷い詐欺なので真に受けてはいけません!。