いまここにあるもの

カメラとか自転車とかアニメとか映画なんかが好きなオタクが管理する闇鍋ブログです。調子が悪いと文章が破綻します。旧ブログはこちらに移管しました→https://otaku4160.hatenablog.com

『この茫漠たる荒野で』(2020年) -★★★☆☆-

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トム・ハンクスポール・グリーングラス監督が『キャプテン・フィリップス』以来、久し振りにタッグを組んだNETFLIX映画『この茫漠たる荒野で』を鑑賞。

西部開拓時代のアメリカを舞台にトム・ハンクス演じる退役軍人がインディアンに育てられた少女を親類の下に送り届けるロードムービー

白人至上主義者による先住民族や黒人への差別が横行した当時の世相に今現在の分断されたアメリカの姿を重ねて風刺するトレンドをしっかりと押さえつつ、監督の十八番である細かなカット割りを封印し傷付いた2人に寄り添い心の触れ合いを丁寧に描いた疑似親子のドラマが秀逸。

カタルシスに繋がる西部劇的なドンパチは申し訳程度かつ、あらすじ以上の事は起こらないのだけど、名優トム・ハンクスの落ち着いた演技と、非行に走らず真っ直ぐ育って欲しい期待の子役ヘレナ・ゼンゲルの存在感も相まって、小粒ながら見応えのある良作でした。