ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の『BRICK ブリック』や大友克洋リスペクトな『LOOPER/ルーパー』で名を上げたライアン・ジョンソン監督が、前作『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の汚名を濯ぐべく手掛けた『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』を鑑賞。
出演は公開が延期されてしまった007シリーズ最新作『No Time to Die』でも共演しているダニエル・クレイグとアナ・デ・アルマスを筆頭に、ヒーローとは程遠いダメ男役のクリス・エヴァンス、ジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、クリストファー・プラマーなどなど、オールスターキャスト共演で超豪華。
監督が過去の名作ミステリーを手本にしたと明言している通り「お約束」の設定やシチュエーションのオンパレードなんだけど、さりげなく盛り込まれた移民や差別問題と言った今風のアレンジも忘れていない。
基本はコメディ調で登場人物が繰り広げるウィットに富んだ会話劇が魅力となっており、今時珍しいVHSの防犯カメラ映像を見て「日本のホラー映画みたいだ」「7日後に死ぬ奴」というネタセリフには大爆笑。
ぱっと見ジェームズ・ボンドな名探偵役のダニエル・クレイグは関係者の前で自分の推理をノリノリで披露したり、車の中で大声で鼻歌を歌うなどぶっ飛んでいて笑えるし、「嘘をつくと嘔吐してしまう」正真正銘「ゲロイン」なアナ・デ・アルマスも相変わらずキュートでGood。
派手さはないものの二転三転する真実と意外な結末。
そして「何時から怪しいと思っていたの?」~「最初に会った時からです」という某『古畑任三郎』なやり取りなど、ああいった作風が好きな人なら間違いなく楽しめる一作であり、やはりライアン・ジョンソンはビッグバジェットな作品なんかより、こういう路線で行くべきですね。